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月厨隔離スレ
[35]茶鮎黒幕説:04/06/12 23:00 ID:???
「あのリボンは、お気に入りだったんです。」
ぽつりと呟く。
「だから今度会った時には返してねって、言ったのに。
約束、守ってくれませんでしたね。トレインさん。」
「あれは―――だって」
リボンを付けた姫っちが、あまりにもあの時の少女の面影を映していたから―――
「一つだけ賭けをしてたんですよ、わたし。もしあの時の男の子がわたしを
憶えてて、気付いてくれたなら―――こんな事、もう止めようって。」
「ば―――なんだよそれ。最後になって俺に責任を押し付けようっていうのか、
おまえは・・・・・・!」
怒鳴りながら、手は必死に傷口の止血をしようとする。
けれど死は無惨だ。
無慈悲に、正確に、一分の狂いも遅れもなく。
彼女の命の針を、かちかちとゼロの位置まで進ませていっている。
「くそ―――ふざけやがって!なにが一つだけ賭けをしました、だ!
おまえのせいで、スヴェンは、スヴェンは―――――」
必死に止血する。
理由もなく、悲しくて。
涙が、瞳から溢れていた。
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