TOP  ( ´∀`)ノ<ちゅーいほー

1- レス

月厨隔離スレ


[41]茶鮎黒幕説:04/06/12 23:04 ID:???
――――部屋を出て、門へ向かう。
 二人きりの静かな朝食を終えて、いつも通りアジトを後にする。
「行ってらっしゃい、トレイン、最近寒くなってきたから、あんまり無理しないでね。」
「おう、姫っちこそ無理すんなよ。」
イヴから鞄を受け取って、アジトに背を向けた。
坂道は長く、どこまでも続いているかのように、街へと伸びている。
なだらかな坂道と、吸い込まれてしまいそうな青い空。
ふと、幻視した。
この下りの坂道が梯子のように空へと伸びていて、晴れやかな青空に届こうとする姿を。
――――それを見て、何の理由もなく。
    哀しい出来事を思い出した。
「―――――――姫っち。」
「なに?トレイン。」
「ん・・・・・・、今度のヤマは早く終わりそうって言っただろ?ちゃっちゃと終わらせてくるからさ、
帰ってきたら街に出ないか?ちょっと相談したい事もあるし。」
「え――――?街に、行くの?」
「おう、仕事が片付いたらさ、どっか旅行にでも行こうぜ。・・・・・・まあ、まだ何処へ行くか
決めてないから、姫っちに選んでもらおうと思ってるけど。」
イヴは黙り込んでしまった。
・・・・・それもそうか。考えてみれば、仕事であちこち連れ回してはいたけど、
こんなふうに遊ぶ為だけの旅行ってのは今までやってなかった。
・・・・・まあ、大した考えがあるって訳でもなくて。
ただ、本当に。
イヴとどこか知らない所に行って、少しずつ、哀しい事に負けないように、
楽しい事を増やそうと思っただけだった。


名前

メール



0ch BBS 20031018+41.5ch