TOP  ( ´∀`)ノ<ちゅーいほー

1- レス

月厨隔離スレ


[32]茶鮎黒幕説:04/06/12 22:58 ID:???
「スヴェンさんは、最後にわたしを庇ってくれました。
ええ、半分くらいの確率で、ああなることは解っていたんです。
そうなるようにスヴェンさんには接してきたんですから。
―――そうですね。本当は確実にわたしを庇って死んでくれる、と解っていました。」
 その笑顔は。
 笑っているのにひどく悲しそうで、今にも―――――
「なのに―――あの時わたしは驚いてしまったんです。
なんでこの人はわたしを助けるのかなって。
自分が死んでしまうのに、なんでわたしを助けてくれたのかなって」
―――今にも、泣き出しそう、だった。
「実は今もよく分からないんです。あの時スヴェンさんが死んで、
わたしは本当に悲しんだのか喜んだのか。
でも、今でもわたしは朝に目が覚めると、もういないって解ってるのに
スヴェンさんのお部屋に行ってホットケーキを用意してるんですよ?
今度はおいしくできました、見た目はちょっと悪いですけど……って。
おかしいでしょ?あの部屋には、もう誰もいないっていうのに。」
 彼女の腕が何かを取り出す。
 しゅる、という衣ずれの音。
 布に包まれた細長いそれを握って、彼女は自分の胸に向けた。
 きらり、と日差しを反射させる刃物の光沢。
「ティ――――!」
 走る。
 けれど、彼女のほうが早い。
――――とつ、という、味気ない音がして。
 彼女は、地面に倒れこんだ。


名前

メール



0ch BBS 20031018+41.5ch